星屑少女の読書室

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読書感想『エミリときどきマーメイド2 深海の黒い影』リズ・ケスラー

エミリときどきマーメイド2 深海の黒い影

『エミリときどきマーメイド2 深海の黒い影』(原作『Emily Windsnap and the Monster from the Deep』)

リズ・ケスラー著

田中亜希子訳

カタノトモコ絵

2021年9月発行

 

いじわるなマンディとは1巻で縁がなくなったと思っていたけど、まさかの再登場。いや〜〜読みたくない〜〜〜!って思ったけど、読み終わった後は「二人とも仲直りできて良かったねえ…」とほっこりしていました笑。

ネガティブな感情を、愛とゆるしで浄化させていくお話。読めてよかったです。

 

マンディの独白を読んでいると、つくづく他者に責任を押しつけるのって良くないよな〜と思います。でも、心が被害者意識でいっぱいになるとついやっちゃう時が多々あって、マンディを通して反省しきりでした。

マンディの気づきと愛情が起こす奇跡は、読んでいる人の心も軽くしてくれるように思います。ラストのマンディの笑顔の可愛さったら! うれしくなっちゃいました。

 

エミリとショナが大暴れするクラーケンに向かって真摯に祈る場面では、 知人から「悲しいことが過去に起きた場所でも、世界中の祈りが届いている場所は、エネルギー的にきれいなんだよ」と教えてもらったことを思い出しました。心からの祈りって、ちゃんと届くんですよね。祈りの大切さが描かれているのも、この本素敵だなって思ったポイントのひとつ。

エミリは、人間界だけでなく、人魚界にも新しい息吹を吹き込む存在として、人魚と人間のハーフとしてこの世に生まれたのかな、なんて想像するのも楽しかったです。

 

原作は9巻まで出ているそうだけど、日本ではこの2巻で止まったまま。同じ装丁で続きを出してほしいな〜。興味のある方はぜひ。